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不動産売却トラブル完全対策|囲い込み・契約不適合・税金の落とし穴を防ぐ方法

不動産売却

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「査定額3,500万円と言われたのに、実際は2,800万円でしか売れなかった」「仲介会社に囲い込みをされ、半年間も売れなかった」「確定申告で3,000万円控除の申請を忘れ、数百万円の税金を払うことになった」――これらは実際に起きている不動産売却トラブルの事例です。

国土交通省の不動産適正取引推進機構には、不動産取引に関する相談が毎年数千件規模で寄せられています。特に売却側のトラブルは、金額が大きいだけに損害も深刻です。仲介手数料だけでも売買価格の3%超、税金は所有期間によって売却益の20〜40%に達します。知識の有無で数十万円〜数百万円の差がつく世界です。

この記事では、不動産売却で特に多い7つのトラブルとその具体的な防ぎ方を、実際の事例・法的根拠とともに解説します。

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査定額と実際の売却額の乖離

「査定額が高い会社=良い会社」と考えるのは危険です。不動産会社が媒介契約を獲得するために、意図的に高い査定額を提示するケースが後を絶ちません。高すぎる売出価格で市場に出すと買い手がつかず、長期間売れ残った末に大幅な値下げを余儀なくされます。

実例:査定額から700万円の値下げ

相談者
50代男性の事例

マンション売却で5社に査定を依頼しました。4社は3,000万〜3,200万円でしたが、1社だけ3,800万円を提示。その会社と専任媒介契約を結びましたが、3ヶ月経っても内覧すら入りません。結局3,100万円まで値下げしてようやく売れました。最初から適正価格で出していれば、もっと早く、高く売れたかもしれません。(一括査定なら持ち家売却

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査定額が他社より20%以上高い場合は要注意です。「なぜこの価格なのか」の根拠を具体的に説明できない会社は避けましょう。査定額の根拠として、周辺の成約事例(実際に売れた価格)を提示してもらうのが鉄則です。

防ぎ方:3社以上の査定を比較し、根拠を確認する

複数社の査定額を比較し、極端に高い・低い会社を除外します。査定額の根拠として「周辺の成約事例」「路線価」「現在の売出し物件との比較」を具体的に説明してもらいましょう。国土交通省の「不動産取引価格情報検索」で周辺の実際の取引価格を自分でも調べておくと、不当な査定を見抜きやすくなります。

囲い込み(両手仲介問題)

「囲い込み」とは、売却を依頼された不動産会社が、他社からの買主紹介を意図的に断り、自社で買主も見つけて売主・買主の双方から仲介手数料を得ようとする行為です。ダイヤモンド不動産研究所の調査(2026年)によれば、大手仲介会社の両手取引比率は住友不動産販売が約57%、三井のリハウスが約44%に達しています。

囲い込みの典型的な手口

相談者
40代女性の事例

大手仲介会社と専任媒介契約を結び、3ヶ月間売却活動をしていましたが、内覧は数えるほど。不思議に思っていたところ、知人の不動産会社から「問い合わせをしたが、”売主の都合で一時紹介をストップしている”と断られた」と聞かされました。私はそんな指示を出していません。

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これは典型的な囲い込みの手口です。2025年1月施行の改正宅建業法施行規則により、囲い込みが確認された宅建業者は行政処分の対象になりました。悪質なケースでは業務停止命令や免許取消処分も可能です。

囲い込みの確認方法

(1)レインズの登録証明書を受け取り、自分の物件が正しくレインズに掲載されているか確認します。(2)知人に頼んで他社経由で問い合わせてもらい、紹介を断られないか確認します。(3)専任媒介の定期報告(2週間に1回)で、他社からの問い合わせ件数を確認します。囲い込みが疑われる場合は、契約期間の満了(最長3ヶ月)を待って他社に切り替えることを検討しましょう。

2025年1月から囲い込みは行政処分の対象

国土交通省は2024年6月に宅建業法施行規則を改正し、2025年1月から施行しました。レインズへの虚偽登録や物件情報の不正な非公開が確認された場合、指示処分・業務停止命令・免許取消処分の対象となります。売主として、自分の物件が正しく公開されているか確認する意識が重要です。

契約不適合責任(瑕疵)のトラブル

2020年4月の民法改正で「瑕疵担保責任」から名称が変わった契約不適合責任。引き渡した物件が契約内容に適合しない場合、売主は修補請求・代金減額請求・損害賠償請求・契約解除に応じなければなりません(民法 第562条〜第572条)。

実例:引渡し後に雨漏りが発覚

相談者
60代男性の事例

戸建て住宅を売却しました。引渡しから2ヶ月後、買主から「大雨の日に2階の天井から雨漏りがする」と連絡がありました。契約書では契約不適合責任の期間を「引渡しから3ヶ月」としていたため、修補費用として約150万円を請求されています。売却前にそのような兆候はなかったと思うのですが。

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雨漏りは契約不適合責任の典型的な対象です。個人間売買では「引渡しから3ヶ月間、雨漏り・シロアリ・給排水管の故障・構造躯体の瑕疵に限定」と定めるのが一般的です。売主が知っている不具合を告知書で正直に開示しなかった場合は、免責特約があっても責任を問われる可能性があります。

裁判例でも、建物の傾斜を説明しなかった売主に対して補修工事費用と調査費用の賠償を命じた判決や、土地の汚染物質について契約不適合を認めた判決があります。

防ぎ方:告知書を正直かつ詳細に記載する

売主は「物件状況報告書(告知書)」で、物件の状態を正確に開示する義務があります。過去の雨漏り・修繕履歴・設備の不具合など、知っていることは全て記載しましょう。隠した場合は、免責特約があっても損害賠償の対象になりえます。また、建物状況調査(インスペクション)を事前に実施しておけば、売主・買主双方の安心材料になります。費用は5〜10万円程度です(宅地建物取引業法 第34条の2第1項第4号)。

仲介手数料のトラブル

仲介手数料は宅地建物取引業法第46条で上限額が定められています。しかし、上限を超える金額を請求されたり、名目を変えて追加費用を求められるケースがあります。法定上限を超えた手数料を受領した不動産業者には100万円以下の罰金または1年以下の懲役が科される可能性があります。

仲介手数料の上限額(速算式)

売買価格 上限額(税別) 3,000万円の場合
200万円以下 売買価格 × 5%
200万円超〜400万円以下 売買価格 × 4% + 2万円
400万円超 売買価格 × 3% + 6万円 96万円(税込105.6万円)
相談者
相談者

仲介手数料の他に「広告宣伝費」として30万円を請求されました。媒介契約書には書かれていなかったのですが、払う必要はありますか。

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原則として、通常の売却活動にかかる広告費は仲介手数料に含まれます。売主が特別に依頼した広告(例:新聞広告やテレビCM)以外の費用を別途請求することはできません。媒介契約書に記載のない費用は支払う義務がありません。不当な請求を受けた場合は、各都道府県の宅建業免許担当窓口に相談しましょう。

住宅ローン残債が売却額を上回る(オーバーローン)

売却価格が住宅ローンの残債を下回る「オーバーローン」状態では、売却代金だけでは抵当権を抹消できず、売却自体が進みません。特に購入から5年以内の物件や、頭金なしのフルローンで購入した物件で起こりやすいです。

相談者
30代男性の事例

転勤でマンションを売却しようとしたところ、ローン残債が2,800万円なのに査定額は2,500万円。差額の300万円を用意できず、売るに売れない状態です。

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オーバーローンの場合、主に3つの選択肢があります。(1)自己資金で差額を補填して売却する、(2)金融機関と協議して任意売却を行う、(3)買い替えの場合は住み替えローンで残債を新しいローンに組み込む。いずれの場合も、まず金融機関に相談することが第一歩です。

オーバーローンでもマイホームなら税金の救済がある

居住用財産の売却で損失が出た場合、他の所得(給与等)と損益通算でき、控除しきれない損失は翌年以降3年間繰り越せます。買換えなしの場合でも、ローン残高が売却額を超えていれば適用可能です(租税特別措置法 第41条の5の2)。確定申告が必要です。

譲渡所得税の申告漏れ・3,000万円控除の失念

不動産売却で最も高額な損失につながるのが税金のミスです。全日本不動産協会が紹介する事例では、居住用財産の3,000万円特別控除の適用が認められなかったケースも報告されています。

トラブル1:確定申告を忘れて特例が受けられない

相談者
50代女性の事例

マイホームを売却して500万円の利益が出ましたが、「3,000万円以下だから税金はかからない」と思い、確定申告をしませんでした。2年後に税務署から約100万円の納税通知が届きました。3,000万円控除を受けるには申告が必要だったのですね。

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3,000万円特別控除は確定申告をしなければ適用されません。税額がゼロになる場合でも申告は必須です。申告期限は売却の翌年3月15日。期限を過ぎても期限後申告は可能ですが、延滞税がかかる場合があります(租税特別措置法 第35条、所得税法 第120条)。

トラブル2:居住実態がなく控除を否認される

国税不服審判所の裁決(令和3年4月2日)では、賃貸マンションに住民登録を移して短期間だけ「居住」したことにし、3,000万円控除の適用を受けようとしたケースが「仮装」と認定されました。審判所は「真に居住の意思をもって客観的にもある程度の期間継続して生活の拠点としていること」が必要と判断し、控除を否認しています。

所有期間の判定ミスにも注意

所有期間は「実際の所有年数」ではなく、売却した年の1月1日時点で判定されます。例えば2021年4月に取得した不動産は、実際に5年経過する2026年4月ではなく、2027年1月1日以降に売却しなければ長期譲渡所得(約20.315%)になりません。数ヶ月の差で税率が約2倍変わります。

防ぎ方:売却前に税理士に相談する

譲渡所得の計算は複雑で、特に(1)取得費の計算(減価償却を含む)、(2)特別控除の適用可否、(3)所有期間の判定は専門知識が必要です。税理士への相談費用は数万円ですが、控除の適用ミスで数十万〜数百万円の損失が出ることを考えれば、十分な投資です。

境界トラブル

戸建て・土地の売却で、買主との契約直前に隣地との境界が確定できないというトラブルが発生することがあります。法務省も「土地の境界トラブル防止」として注意喚起を行っています。特に相続した土地では、購入時の事情がわからないため境界紛争に発展しやすいです。

相談者
70代男性の事例

父から相続した戸建て住宅を売却しようとしたところ、隣地の所有者が「境界線はもっとこちら側だ」と主張し、境界確認書への署名を拒否されました。測量に着手してから半年以上経っていますが解決の見通しが立ちません。

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隣地所有者が立会いに応じない場合は、法務局の筆界特定制度を利用できます。登記官が公的に境界を特定する制度で、裁判より低コスト・短期間で解決できる場合があります。費用は数万円程度(不動産登記法 第131条〜)。ただし確定まで6ヶ月〜1年程度かかるため、売却スケジュールに余裕をもって対応しましょう。

境界トラブルの3つの解決方法

(1)当事者間の話し合い:土地家屋調査士の立会いのもと、隣地所有者と合意を目指します。最も低コストです。(2)筆界特定制度:法務局に申請し、登記官が境界を特定します。費用は数万円です。(3)境界確定訴訟:裁判所に境界の確定を求めます。費用は高額で1年以上かかることもあります。まずは(1)→(2)の順で対応するのが合理的です。

まとめ:不動産売却トラブルを防ぐ7つの鉄則

不動産売却のトラブルは、事前の知識と準備で大部分を防ぐことができます。

1. 査定は3社以上で比較し、根拠を確認する

極端に高い査定額は売れ残りのリスクです。周辺の成約事例を自分でも調べておきましょう。

2. レインズの登録状況を自分で確認する

囲い込みを防ぐため、登録証明書を受け取り物件が正しく公開されているか確認しましょう。

3. 告知書は正直に、詳細に記載する

契約不適合責任のリスクを最小化できます。隠した瑕疵は免責特約でもカバーできません。

4. 仲介手数料の上限額を事前に計算しておく

売買価格×3%+6万円+消費税が上限です。媒介契約書に記載のない費用は支払い不要です。

5. ローン残債と売却見込み額を事前に比較する

オーバーローンの場合は自己資金・任意売却・住み替えローンの3つの選択肢を検討しましょう。

6. 確定申告は税額ゼロでも必ず行う

3,000万円控除や損益通算の特例は申告しなければ適用されません。

7. 境界確定は売却活動の前に着手する

1〜3ヶ月以上かかるため、後回しにすると売却スケジュール全体が遅延します。

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