※ 本記事にはアフィリエイト広告が含まれます。
「確定申告って、結局なにをすればいいの?」――初めて確定申告する人の多くが、そもそも何から始めればいいのかわからないという状態です。源泉徴収票、青色申告、e-Tax、控除――聞き慣れない用語が並ぶだけで身構えてしまいます。
しかし実際にやってみると、確定申告の作業の大半は「書類を集める」ことに尽きます。書類さえ揃えてしまえば、あとは国税庁の作成コーナーで画面の指示通りに入力するだけです。計算は全て自動でやってくれます。
確定申告の規模感を知っておきましょう
令和6年分(2024年)の確定申告者数は約2,339万人。e-Taxの利用率は過去最高の74%に達し、自宅からのe-Tax送信者は824万人と前年から134万人も増加しました(国税庁 令和6年分確定申告状況)。初めての人でもe-Taxで完結できる時代になっています。
この記事では、確定申告の準備から提出・納付までの流れを時系列で整理します。何を、いつまでに、どこで準備すればいいのかが、この1ページでわかるようになっています。

申告前にやること(書類の準備が9割)
確定申告で最も時間がかかるのは、実は申告書の作成ではなく書類集めです。必要な書類は人によって異なりますが、以下の中から自分に該当するものを揃えていきます。
全員に必要な書類
源泉徴収票の収集(会社員・年金受給者)
勤務先から1月末までに交付されます。届かない場合は早めに請求してください。年の途中で退職した場合は元勤務先に請求します。複数の勤務先がある場合は全ての源泉徴収票が必要です(所得税法 第226条)。
帳簿の整理・決算(フリーランス・個人事業主)
領収書・請求書・通帳のコピー等を整理し、帳簿を完成させます。青色申告65万円控除には複式簿記が必要ですが、会計ソフトを使えば自動で対応できます(所得税法 第148条)。
ポイント
帳簿整理を「2月に入ってから」始める人が多いですが、それだと間に合わないことも。12月中に領収書の整理を終わらせて、1月中に帳簿を確定させるのが理想です。
該当する人だけの書類
医療費の領収書・明細書(年間医療費が10万円超の場合)
本人と生計を一にする家族の医療費を合算できます。見落としがちですが、通院の交通費(電車・バス)も控除対象です。健保組合からの「医療費通知」があれば明細書の記載を省略できます(所得税法 第73条)。
住宅ローン控除の書類(初年度のみ確定申告が必要)
年末残高等証明書(金融機関から届く)、登記事項証明書(法務局で取得)、売買契約書のコピー等。2年目以降は年末調整で対応できます。年末残高の0.7%が所得税から直接控除される、非常に効果の大きい制度です(租税特別措置法 第41条)。
ふるさと納税の寄附金受領証明書
ワンストップ特例を使っていない場合、または6自治体以上に寄附した場合に必要です。届いていない場合は寄附先の自治体に再発行を依頼してください。ふるさと納税サイトの「寄附金控除に関する証明書」(XML)でも申告できます(所得税法 第78条)。
ポイント
ふるさと納税の利用者は1,000万人を突破し、寄附総額は約1.1兆円に達しています(総務省 2023年度実績)。6自治体以上に寄附している方はワンストップ特例が使えないため、確定申告が必須です。寄附先が多い方は早めに証明書を確認しましょう。
e-Taxの利用準備(オンライン申告の場合)
マイナンバーカード方式が推奨されています。スマートフォンまたはICカードリーダーが必要です。ID・パスワード方式は税務署で事前に発行が必要です(国税通則法 第124条)。
青色申告65万円控除の落とし穴
65万円控除を受けるには、複式簿記での記帳と期限内の申告が前提です。そのうえで「e-Taxでの提出」か「優良な電子帳簿保存」のどちらかが必要です。どちらも行わずに紙で提出すると、控除額は55万円になります。優良な電子帳簿保存をしていない人は、e-Taxで提出するだけで控除が10万円多くなる計算です。
「複式簿記」は会計ソフトで自動化できます
「複式簿記って難しそう」と思うかもしれませんが、会計ソフトを使えば日々の取引を入力するだけで仕訳帳・総勘定元帳・貸借対照表が自動作成されます。確定申告書の出力もワンクリックで完了するため、簿記の知識がなくても65万円控除を受けられます。無料プランのあるソフトも多いので、青色申告のハードルは実は高くありません。
e-Taxの利用率推移(2020年→2024年)▼
自宅からのe-Tax利用者数は5年間でほぼ倍増しています。
約420万人
約500万人
約580万人
約690万人
約824万人
出典: 国税庁「確定申告状況等について」各年分より作成。
申告書の作成と提出(2月16日〜3月15日)
確定申告書の作成
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、画面の案内に従って入力するだけで申告書が完成します。計算は全て自動です。源泉徴収票の数字をそのまま入力するだけの箇所も多いです。初めてでも1〜2時間あれば完了します(所得税法 第120条)。
ポイント
20〜40代のe-Tax利用率は8割超です。スマホとマイナンバーカードがあれば自宅から完結できるので、わざわざ税務署に行く必要はありません。確定申告会場は2月下旬〜3月上旬が最も混雑するため、e-Taxで早めに済ませるのがおすすめです。
ポイント
e-Taxで自分で申告できる人は多いですが、事業所得や不動産所得がある方、初めての青色申告で不安な方は税理士に相談するのも手です。費用は年間10〜30万円程度ですが、節税額がそれを上回ることも珍しくありません。
申告書の提出 法定手続き・3月15日まで
e-Taxなら24時間提出可能で、3月15日の23:59まで受け付けています。税務署への持参は開場直後の朝一番が比較的空いています。郵送の場合は3月15日の消印で期限内扱いになります(所得税法 第120条)。
所得税の納付 法定手続き・3月15日まで
金融機関窓口、e-Tax(ダイレクト納付・ネットバンキング)、コンビニ(30万円以下)、クレジットカードで納付できます。振替納税を利用すると約1ヶ月後の引落しになり、資金繰りに余裕ができます。還付の場合は納付不要です(国税通則法 第35条)。
還付申告は3月15日を過ぎてもOK
還付申告(税金が戻ってくる場合)は、3月15日の期限を気にする必要がありません。1月1日から5年以内ならいつでも提出できます。年の途中で退職した人や医療費が多かった人は、還付の可能性が高いので確認してみてください。医療費控除の適用者は国税庁の調査で約660万人以上と推計されており、該当者は非常に多いです。
期限に遅れた場合のペナルティ詳細▼
無申告加算税(国税通則法 第66条): 期限後に自主的に申告した場合は5%、税務署の指摘後は15%(50万円超の部分は20%)が上乗せされます。
延滞税(国税通則法 第60条): 納付期限の翌日から発生します。2ヶ月以内は年2.4%程度、2ヶ月超は年8.7%程度です(利率は毎年変動)。
青色申告の取消リスク: 2年連続で期限後申告となった場合、青色申告の承認が取り消される可能性があります(所得税法 第150条)。65万円控除を失うと、税額に大きな影響が出ます。
申告後にやること
還付金の確認
国税庁の目安では、e-Tax提出なら3週間程度、紙提出ならおおむね1か月から1か月半程度で指定口座に振り込まれます。e-Taxの「メッセージボックス」でも処理状況を確認できます(国税通則法 第56条)。
帳簿・領収書の保管
申告が終わっても書類は捨てないでください。青色申告の帳簿・書類は7年間、白色申告の法定帳簿は7年間、その他の書類は5年間の保存義務があります。税務調査は数年後に来ることもあります(所得税法 第148条・施行規則 第102条)。
ポイント
「申告書の控え」は、e-Taxなら受信通知で提出日を確認できます。紙で提出する場合、税務署は2025年1月から控えに収受日付印を押していないため、自分で控えを保管し、提出日を記録しておきましょう。窓口で希望すれば、当分の間は提出日と税務署名を記載したリーフレットをもらえます。住宅ローンの審査や保育園の入園申請で、前年の確定申告書の控えが必要になることがあります。
パターン別の注意点
会社員で確定申告が必要な場合
年末調整だけでは対応できないケースがあります。以下に該当するなら確定申告が必要です。
- 医療費控除 ― 年間の医療費が10万円(所得200万円未満なら所得の5%)を超えた場合。家族全員の医療費を合算できます。
- 住宅ローン控除(初年度) ― 初年度のみ確定申告が必要です。年末残高の0.7%が所得税から直接控除されます(最大13年間)。
- 副業の所得が20万円超 ― 「雑所得」として申告します。20万円以下でも住民税の申告は別途必要です。
- ふるさと納税 ― ワンストップ特例を使っていない場合や6自治体以上に寄附した場合です。
副業の住民税申告を忘れずに
副業所得が20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は別途必要です。市区町村の住民税窓口で手続きします。これを知らず無申告になるケースが非常に多いです。
フリーランス・個人事業主の場合
- 青色申告(65万円控除) ― 複式簿記での記帳と、e-Taxでの提出か優良な電子帳簿保存が条件です。赤字の3年間繰越、家族への給与の経費計上も可能です。
- 青色申告(10万円控除) ― 簡易簿記でOKです。複式簿記が難しいならこちらから始められます。
- 白色申告 ― 特別控除はありません。来年分から青色への切替を検討する価値があります。切替には3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出します。
青色申告と白色申告の比較表▼
| 項目 | 青色65万円 | 青色10万円 | 白色 |
|---|---|---|---|
| 特別控除額 | 65万円 | 10万円 | なし |
| 記帳方式 | 複式簿記 | 簡易簿記 | 簡易な記録 |
| 赤字繰越 | 3年間可能 | 3年間可能 | 不可 |
| 家族給与の経費化 | 全額可能 | 全額可能 | 上限あり |
| e-Tax提出 | 必須(優良な電子帳簿保存をしていれば任意) | 任意 | 任意 |
所得税法 第143条〜第148条に基づきます。e-Taxでの提出も優良な電子帳簿保存もしていない場合、青色65万円は55万円になります(租税特別措置法 第25条の2)。
確定申告手続き一覧表
| 手続き名 | 届出先・場所 | 期限・目安 |
|---|---|---|
| 源泉徴収票の収集 | 勤務先 | 1月末まで(交付期限) |
| 帳簿の整理・決算 | 自宅・会計事務所 | 1月中(推奨) |
| 青色申告決算書 / 収支内訳書の作成 | 自宅・会計事務所 | 2月上旬まで(推奨) |
| 医療費の領収書・明細書の整理 | 自宅 | 2月上旬まで(推奨) |
| 住宅ローン控除の書類収集 | 金融機関・法務局 | 2月上旬まで(推奨) |
| ふるさと納税の証明書収集 | 各自治体から届く | 2月上旬まで(推奨) |
| e-Taxの利用準備 | 国税庁Web / 税務署 | 申告前 |
| 確定申告書の作成 | 国税庁Web / 会計ソフト | 2月16日〜3月15日 |
| 申告書の提出 | e-Tax / 税務署 / 郵送 | 3月15日まで(法定) |
| 所得税の納付 | 金融機関 / e-Tax / コンビニ | 3月15日まで(法定) |
| 還付金の確認 | e-Tax / 郵送通知 | 提出後2週間〜1.5ヶ月 |
| 帳簿・領収書の保管 | 自宅 | 5〜7年間 |
まとめ
確定申告は「書類集め」さえ終われば、あとは画面の指示に従って入力するだけです。難しいのは最初だけで、一度やってしまえば翌年からは格段にスムーズになります。
1. 期限は3月15日。遅れると無申告加算税・延滞税が発生します。還付申告なら5年以内でOKです。
2. e-Taxが最も効率的。24時間提出可能で、還付も早く、青色65万円控除の要件を満たす方法の一つです。優良な電子帳簿保存をしていなければ、紙で提出するより控除が10万円多くなります。
3. 書類は7年間保管。申告が終わっても捨てないでください。税務調査は数年後に来ることもあります。
ポイント
てつづきナビでは、会社員・フリーランス・副業ありなど、あなたの状況に応じて「必要な手続きだけ」を自動抽出します。書類の準備漏れも防げるので、初めての方は特にお試しください。
関連記事
よくあるトラブルと対策
関連する手続きガイド


コメント