有価証券(株式・投資信託等)の名義変更とは
有価証券の名義変更とは、故人が保有していた株式・投資信託・債券などの金融商品を、相続人の名義に変更する手続きです。届出先は故人が口座を開設していた証券会社(または信託銀行)の窓口で、各社所定の相続届出書を提出して手続きします。法的根拠は民法第896条(相続の一般的効力)です。法定期限はありませんが、遺産分割協議の完了後すみやかに行うのが望ましいです。名義変更には相続人名義の証券口座が必要なため、口座を持っていない場合は先に新規開設が必要です。
この手続きが必要な人
故人が株式・投資信託・債券などの有価証券を保有していた場合
故人が有価証券を保有していなかった場合
故人がA証券とB銀行で投資信託を保有していた場合、それぞれの金融機関で個別に手続きが必要
手続きの流れ
ステップ1: 証券会社に死亡を連絡し、残高を確認する
故人が口座を開設していた証券会社に連絡し、口座名義人の死亡を届け出る。保有銘柄・残高・評価額の一覧を取得する。相続税の申告には死亡日の終値で評価した明細が必要なため、「残高証明書(死亡日時点)」を請求する。
ステップ2: 相続人名義の証券口座を準備する
名義変更先となる相続人が同じ証券会社に口座を持っていない場合は、新規開設が必要。口座開設には本人確認書類・マイナンバー確認書類が必要で、通常1〜2週間で完了する。
ステップ3: 相続届出書を提出する
証券会社所定の相続届出書に記入し、戸籍謄本一式・遺産分割協議書・相続人全員の印鑑証明書などを添付して提出する。審査後、故人の口座から相続人の口座に有価証券が移管される。名義変更完了まで2〜4週間程度。
よくある質問
Q. 故人がどこの証券会社に口座を持っていたかわからない場合は?
証券保管振替機構(ほふり)に「登録済加入者情報の開示請求」を行うと、故人が口座を開設していた証券会社を特定できます。手数料は1件6,050円です。また、故人の郵便物や口座の引き落とし明細から取引先の証券会社を特定する方法もあります。
Q. 株式を売却してから現金で分けることはできますか?
一度相続人名義に移管してから売却し、現金を分配する方法(換価分割)は可能です。遺産分割協議書に「相続人Aが取得し、売却代金を各相続人に分配する」旨を記載します。この場合、売却益に対する譲渡所得税の負担についても協議書で定めておくとトラブルを防げます。


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