事業用不動産の売却・処分とは
事業用不動産の売却・処分は、法人名義の土地・建物を清算結了より前に売り切っておく手続きです。清算結了で法人格が消滅すると、法人名義のままの不動産は売却も登記もできなくなります。費用は仲介手数料(売買価格×3%+6万円+消費税)と登記費用が目安です。
この手続きの基本情報
時間のかかる資産から着手する
清算のスケジュールで最も読めないのが不動産の売却期間です。買い手探しから決済・引渡しまで数か月かかるのが普通で、条件の悪い物件ならさらに延びます。だからこそ、解散を決めたらまず不動産の査定と売却活動に着手し、官報公告の2か月と並行して進めるのが定石です。売却が清算に間に合わない場合は、清算期間を延ばして売却を待つ、清算人が価格を見直す、といった判断が必要になります。売却益(譲渡益)は清算中の事業年度の所得になるため、税額の見込みも早めに税理士へ相談してください。
売る以外の選択肢——役員への譲渡・現物分配
買い手がつかない、あるいは経営者個人が使い続けたい不動産は、適正な時価で役員個人へ譲渡する方法や、残余財産の現物分配として株主に渡す方法もあります。ただしいずれも時価の算定と課税(法人側の譲渡損益、受け取る側の課税)が絡む、税務の論点が濃い処理です。安易に帳簿価額で移すと後から課税問題になりかねません。この選択は必ず税理士に、担保が付いている物件は金融機関との調整も含めて、専門家と組んで進めてください。
よくある質問
Q. 清算結了までに売れなかったらどうなりますか?
残余財産が確定しないため清算を結了できず、清算期間を延長して売却を続けることになります。法人が存続する間は均等割などの負担も続くため、価格の見直しや処分方法の変更を清算人が判断していくことになります。
Q. 抵当権が付いている不動産はどうすればいいですか?
売却代金での完済や金融機関との調整により、抵当権を抹消したうえで引き渡すのが通常です。残債が売却額を上回る場合の扱いは債権者との交渉になるため、早い段階で金融機関と弁護士に相談してください。

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