てつづきナビ コラム

残余財産の分配は債務完済と公告2か月の後|みなし配当の課税と債務超過の場合

残余財産の確定・株主への分配とは

残余財産の確定・株主への分配は、債権者への支払いをすべて終えたあとに残った財産を確定させ、株主(合同会社は社員)に分ける、清算の実質的なクライマックスです(会社法第504条)。この「残余財産の確定日」が、最後の申告である清算確定申告の起点になります。

この手続きの基本情報

届出先自社(清算人が実施)
費用無料(分配金自体には源泉徴収等の課税あり)

ポイント

官報公告期間の満了後、債務弁済を経て残余財産を確定・分配します(会社法第504条)。分配金の税務処理や、債務超過の場合の対応については、税理士・弁護士にご相談ください

分配できるのは債務を払い切ってから

順番は厳格です。官報公告の期間(2か月以上)が満了し、申し出のあった債権や知れている債務をすべて弁済して、初めて残余財産が確定します。債務が残っている段階で株主に財産を分けることはできません。分配は原則として持株数に応じて行い、現金のほか不動産などの現物で分配する方法もあります。もし財産より債務のほうが多い(債務超過の疑いがある)ことが分かった場合は、通常の清算は続けられず破産手続き等への移行を検討する局面になるため、直ちに弁護士へ相談してください。

分配には税金がついてくる——「みなし配当」に注意

株主が受け取る分配金は、出資の払い戻しを超える部分が配当とみなされて課税される(みなし配当)など、受け取る側にも税務が発生します。会社側にも源泉徴収の義務が生じる場合があり、「残ったお金を振り込んで終わり」ではありません。オーナー経営者が自社の残余財産を受け取るケースは、役員退職金として受け取る場合との比較も含めて手取りが大きく変わり得るところです。分配の設計は必ず税理士に相談し、源泉徴収と支払調書まで含めて処理してください。

分配の実行後は、いつ・誰に・いくら分配したかの記録を決算報告書に反映します。この記録が清算結了登記の添付書類の基礎になるため、振込記録とあわせて確実に残してください。

よくある質問

Q. 残余財産の分配はいつできますか?

官報公告期間(最低2か月)の満了と債務の弁済完了が前提です。それより前の分配はできません。分配を終えて残余財産がゼロになった状態を株主総会の決算報告で承認すると、清算結了登記に進めます。

Q. 債務のほうが多そうな場合はどうなりますか?

債務超過の会社は通常の清算では処理できず、破産手続きや特別清算への移行を検討することになります。判断には法的な評価が必要なため、財産目録の段階で疑いがあれば早めに弁護士へ相談してください。

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