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ペットの手続きで起きるトラブルの多くは「知らなかった」が原因です。犬の登録期限が30日と知らずに過ぎていた、ペットショップで受け取った登録証明書の意味が分からず変更登録をしていなかった、「ペット相談可」の物件だから大丈夫だと思っていたら契約違反だった、といった具合です。
こうした見落としは、迷子になったときや退去のときに一気に表面化します。マイクロチップの登録が前の飼い主のままだと、保護されてもあなたに連絡は来ません。
この記事では、ペットを迎えてから見送るまでに起きやすい5つのトラブルと、その防ぎ方・対処法を解説します。
犬の登録期限(30日)を過ぎてしまった
相談
犬を迎えて2か月になりますが、市区町村への登録をしていませんでした。今からでも間に合いますか?
回答
期限を過ぎていても、気づいた時点ですぐ登録してください。犬の登録は狂犬病予防法で「取得した日から30日以内」(生後90日以内の子犬は生後90日を経過した日から30日以内)と定められていて、未登録は20万円以下の罰金の対象です。登録は犬の生涯で1回、手数料は多くの自治体で3,000円です。狂犬病予防注射をまだ受けていない場合は、取得日から30日以内の接種も義務になっています。
マイクロチップが装着済みで、お住まいの市区町村が「狂犬病予防法の特例」に参加していれば、環境省データベースへの変更登録が犬の登録申請とみなされ、役所での登録と鑑札の装着は不要です(参加は令和8年6月現在で331市区町村)。先に登録サイトの参加自治体一覧を確認してから動くと、二度手間になりません。
マイクロチップの変更登録を忘れ、登録が前の飼い主のまま
相談
ペットショップで買った猫に「登録証明書」が付いてきましたが、何もせず半年経っています。問題ありますか?
回答
登録上の所有者がペットショップのままになっています。マイクロチップ登録済みの犬猫を譲り受けた人は、取得日から30日以内に自分名義への「変更登録」をすることが動物愛護管理法で義務付けられています。猫も対象です。放置していると、迷子になって保護されたときの連絡がお店に行き、あなたにたどり着けないおそれがあります。
手続きは「犬と猫のマイクロチップ情報登録」サイトからオンラインで行え、手数料はオンライン400円・紙申請1,400円(2024年4月改定後の額)です。登録証明書に書かれた識別番号と暗証記号を使うので、証明書は捨てずに保管してください。なお、義務化(2022年6月)前から民間団体(AIPOなど)に登録していた犬猫は環境省データベースには載っていません。別の制度なので混同しないようにしてください。
賃貸で無断飼育がわかり、退去を求められた
相談
「ペット相談可」の物件で猫を飼い始めたら、管理会社から契約違反だと言われました。
回答
「相談可」は「飼ってよい」ではなく、申請して承認を得れば飼える場合がある、という意味です。承認を得ずに飼い始めると契約違反になり、契約解除や損害賠償を求められるリスクがあります。退去時の原状回復でも不利で、国土交通省のガイドラインは、ペットによる柱・クロスのキズや臭いの付着を借主負担と判断される場合が多いとしています。
まずは管理会社に事情を説明し、飼育承諾の書面をもらえるか相談してください。頭数・体重制限や敷金の上乗せ、クロス張替え特約などの条件が付くこともあります。これから迎える方は、契約書か管理規約で居室内での犬猫の飼育を認める旨が明記されているかを先に確認し、可能なら書面で承諾を取っておくのが確実です。保護犬猫の譲渡審査でも、この書面の提示を求められるのが一般的です。
迷子になったが、どこに連絡すればいいか分からなかった
相談
散歩中に犬が逃げてしまいました。1日経っても見つかりません。
回答
時間との勝負です。当日中に次の4つを並行してください。①管轄と隣接する自治体の保健所・動物愛護センターに、収容されていないか照会する(鑑札や注射済票を着けていない犬は抑留の対象で、所有者不明の場合の公示期間はわずか2日間です)。②警察署に遺失届を出す(ペットは法律上「物」として扱われ、遺失物法の準遺失物になります)。③道路で事故に遭っていないか、清掃事務所にも確認する。④マイクロチップの登録情報が最新か確認する(住所・電話番号が古いと連絡が来ません)。
収容された犬を引き取るときは手数料がかかり、例えば東京都は返還手数料3,200円に飼養管理費が1日680円加わります。日頃から鑑札・注射済票・迷子札を首輪に着け、チップの登録情報を引越しのたびに更新しておくことが最大の予防策です。
犬が亡くなったのに、翌年も予防注射の案内が届く
相談
昨年愛犬を見送りました。今年も市役所から狂犬病予防注射の案内はがきが届いて、つらいです。
回答
犬の死亡届が出ていないため、登録が残ったままになっています。登録済みの犬が亡くなったときは、30日以内に市区町村へ死亡届を出し、鑑札と注射済票を添えて返納することになっています(狂犬病予防法4条)。多くの自治体で電子申請や郵送でも手続きでき、費用はかかりません。鑑札を紛失していても、その旨を伝えれば受け付けてもらえます。
マイクロチップの登録をしている場合は、環境省データベースへの死亡届出(無料)も別に必要です。特例参加自治体ではデータベース側の届出が市区町村にも連携されますが、そうでない自治体では両方に出します。あわせて、ペット保険やフードの定期購入の解約も忘れないでください。亡くなる前の診療費で保険金の請求が残っていれば、解約の前に請求を済ませておきます。
迎える前・見送る前にできる予防策
ペットの手続きのトラブルを防ぐチェックリスト
- 犬は「取得から30日以内の登録」と「毎年の狂犬病予防注射」が法律上の義務です。未登録・未接種は20万円以下の罰金の対象になります。
- マイクロチップ登録済みの犬猫を迎えたら、30日以内に自分名義へ変更登録します。猫で義務になるのはこの手続きだけです。
- 見送るときは、犬は30日以内に市区町村へ死亡届、チップ登録があれば環境省データベースにも届出。出し忘れると翌年も注射の案内が届きます。
まとめ
ペットの手続きのトラブルは、制度の条件と手続きの順番を知らなかったことが原因のものがほとんどです。次の3点を先に押さえておけば、多くは防げます。
1. 犬は「取得から30日以内の登録」と「毎年の狂犬病予防注射」が法律上の義務です。未登録・未接種は20万円以下の罰金の対象になります。
2. マイクロチップ登録済みの犬猫を迎えたら、30日以内に自分名義へ変更登録します。猫で義務になるのはこの手続きだけです。
3. 見送るときは、犬は30日以内に市区町村へ死亡届、チップ登録があれば環境省データベースにも届出。出し忘れると翌年も注射の案内が届きます。


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