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仕事中のケガや通勤途中の事故に遭ったとき、労災保険は治療費の全額と休業中の給与の約8割を補償してくれます。厚生労働省「労働者死傷病報告」によれば、2023年の労働災害による死傷者数は約13.6万人。決して他人事ではありません。
しかし労災保険の請求は自動的には行われません。所定の様式(請求書)を労働基準監督署に提出する必要があり、ケガの種類や状況に応じて使う様式が異なります。「会社がやってくれるだろう」と思っていたら何も進んでいなかった、というケースも少なくありません。
労災保険は正社員だけでなく、パート・アルバイト・派遣社員・日雇い労働者も対象です。1日だけのアルバイトでも、仕事中のケガには労災保険が適用されます。
この記事では、労災事故の発生から各種補償の請求、症状固定後の障害補償までの手続きを順番に解説します。

事故発生
医療機関の受診(労災指定病院)
届出先: 労災指定病院・診療所(厚労省の検索システムで最寄りの指定病院を検索可能)。(労働者災害補償保険法 第13条(療養補償給付))。
会社への報告・事業主証明の依頼
届出先: 勤務先の人事部・総務部・上司。(労働安全衛生規則 第97条(労働者死傷病報告))。
治療開始
労働基準監督署への相談
届出先: 事業場の所在地を管轄する労働基準監督署。
健康保険から労災保険への切替
届出先: 受診した医療機関、加入する健康保険の窓口(協会けんぽ・健保組合・市区町村)。(健康保険法 第55条第1項(他の法令による保険給付との調整))。
療養(補償)等給付の請求 法定手続き
届出先: 労災指定病院を経由して労働基準監督署(指定病院の場合)。指定病院以外の場合は直接労働基準監督署。(労働者災害補償保険法 第13条(療養補償給付))。
休業(補償)等給付の請求 法定手続き
届出先: 労働基準監督署。(労働者災害補償保険法 第14条(休業補償給付)、労働基準法 第76条(休業補償))。
休業開始
第三者行為災害届の提出
届出先: 労働基準監督署。(労働者災害補償保険法 第12条の4(第三者の行為による事故))。
弁護士・社会保険労務士への相談
届出先: 法律事務所・社会保険労務士事務所・法テラス。
休業(補償)等給付の継続請求
届出先: 労働基準監督署。(労働者災害補償保険法 第14条(休業補償給付))。
症状固定
傷病の状態等に関する届の提出 法定手続き
届出先: 労働基準監督署。(労働者災害補償保険法 第18条(傷病補償年金))。
介護(補償)等給付の請求 法定手続き
届出先: 労働基準監督署。(労働者災害補償保険法 第19条の2(介護補償給付))。
障害(補償)等給付の請求 法定手続き
届出先: 労働基準監督署。(労働者災害補償保険法 第15条(障害補償給付))。
補償確定
審査請求(不服申立て)
届出先: 労働者災害補償保険審査官(都道府県労働局)。(労働者災害補償保険法 第38条(審査請求及び再審査請求))。
会社への損害賠償請求の検討
届出先: 弁護士を通じて会社と交渉、または裁判所。(民法 第415条(債務不履行による損害賠償)、民法 第709条(不法行為による損害賠償))。
死亡届出
葬祭料等(葬祭給付)の請求 法定手続き
届出先: 労働基準監督署。(労働者災害補償保険法 第17条(葬祭料))。
遺族(補償)等給付の請求 法定手続き
届出先: 労働基準監督署。(労働者災害補償保険法 第16条〜第16条の9(遺族補償給付))。
手続き一覧表
| 手続き名 | 届出先 | 期限・目安 |
|---|---|---|
| 医療機関の受診(労災指定病院) | 労災指定病院・診療所(厚労省の検索システムで最寄りの指定病院を検索可能) | 早めに |
| 会社への報告・事業主証明の依頼 | 勤務先の人事部・総務部・上司 | 早めに |
| 労働基準監督署への相談 | 事業場の所在地を管轄する労働基準監督署 | 早めに |
| 健康保険から労災保険への切替 | 受診した医療機関、加入する健康保険の窓口(協会けんぽ・健保組合・市区町村) | 早めに |
| 第三者行為災害届の提出 | 労働基準監督署 | 早めに |
| 弁護士・社会保険労務士への相談 | 法律事務所・社会保険労務士事務所・法テラス | 早めに |
| 休業(補償)等給付の継続請求 | 労働基準監督署 | 早めに |
| 療養(補償)等給付の請求 | 労災指定病院を経由して労働基準監督署(指定病院の場合)。指定病院以外の場合は直接労働基準監督署 | 早めに(法定) |
| 休業(補償)等給付の請求 | 労働基準監督署 | 早めに(法定) |
| 傷病の状態等に関する届の提出 | 労働基準監督署 | 早めに(法定) |
| 介護(補償)等給付の請求 | 労働基準監督署 | 早めに(法定) |
| 障害(補償)等給付の請求 | 労働基準監督署 | 早めに(法定) |
| 審査請求(不服申立て) | 労働者災害補償保険審査官(都道府県労働局) | 早めに |
| 会社への損害賠償請求の検討 | 弁護士を通じて会社と交渉、または裁判所 | 早めに |
| 葬祭料等(葬祭給付)の請求 | 労働基準監督署 | 早めに(法定) |
| 遺族(補償)等給付の請求 | 労働基準監督署 | 早めに(法定) |
まとめ
労災申請の手続きは多岐にわたりますが、時系列に沿って一つずつ進めれば確実に完了できます。まずは期限の厳しいものから着手し、並行して準備できるものは同時に進めるのが効率的です。
1. 労災請求は労働者本人の権利。会社の同意は不要です。拒否された場合は労基署に直接相談を。
2. 不支給決定には3ヶ月以内に審査請求が可能。約15%が認容されています。
3. 治療費は全額、休業補償は給与の約8割。パート・アルバイトも対象です。

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