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転職の手続き完全ガイド|退職から入社までの届出・書類・期限を一覧で解説

就職・転職

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「入社日に年金手帳が見つからず、人事に謝ることになった」「前職の源泉徴収票を提出し忘れて確定申告する羽目になった」――転職経験者なら、こうした手続きの抜け漏れに心当たりがあるのではないでしょうか。マイナビの「転職動向調査2025年版」によると、2024年の正社員転職率は7.2%と高水準で推移しています。

転職で必要な手続きは、退職届の提出から社会保険の切替え、書類の準備、入社後の届出まで最大18件に及びます。しかも、空白期間の有無、前職の保険の種類、企業型DCの有無によって必要な手続きが変わります。さらに厄介なのは、健康保険の任意継続は退職後20日以内、国保の届出は14日以内、iDeCoの移換は6ヶ月以内と、手続きごとに期限がバラバラなことです。

この記事では、退職準備から入社後までの手続きを時系列順に解説します。「いつ」「どこで」「何を」すればいいのかを一覧で把握できるようにしました。

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転職手続きフロー図 — 退職準備から入社後までの時系列
転職手続きの全体フロー(時系列順)

入社前にやること(退職準備)

1ヶ月前まで

退職届の提出

届出先: 現在の勤務先。民法第627条では退職届提出から2週間で退職の効力が生じますが、就業規則で「1ヶ月前まで」と定めている会社が多いです。退職届のコピーは必ず保管しましょう。退職届と退職願は異なり、退職届は「通知」、退職願は「お願い」で会社の承認が必要です。円満退職のためには、まず口頭で上司に伝えた後に書面を提出するのが一般的です。

ナビ
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退職届を提出したら、離職票・源泉徴収票・雇用保険被保険者証・年金手帳・健康保険資格喪失証明書の5点を確実に受け取れるよう、退職日までに会社に依頼しておきましょう。

相談者
相談者

退職届を出したら上司に「後任が決まるまで待ってほしい」と言われました。次の会社の入社日が迫っているのですが、どうすればいいですか。

ナビ
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民法第627条では、期間の定めのない雇用契約の場合、退職届提出から2週間で退職の効力が生じます。就業規則に「1ヶ月前」とあっても法律が優先されます。円満退職が理想ですが、入社日が動かせない場合は「退職届」(通知)を提出し、人事部にも並行して連絡してください。

退職後20日以内(空白期間がある場合)

空白期間が1日でもあれば手続きが必要

退職日の翌日から新しい会社の入社日までに空白期間がある場合、その間は健康保険と年金の切替手続きが必要になります。退職日の翌日が入社日の場合は不要です。

健康保険の任意継続手続き 法定手続き・20日以内

届出先: 加入していた健康保険組合または協会けんぽ。退職日の翌日から20日以内に申請が必要です(健康保険法 第37条)。最長2年間加入可能です。保険料は全額自己負担(在職時の約2倍ですが上限あり)になります。国保と比較して安い方を選びましょう。

国民健康保険への加入届 法定手続き・14日以内

届出先: 住所地の市区町村役場。任意継続を選ばない場合はこちらです。届出には「健康保険資格喪失証明書」が必要なので、退職前に会社に発行を依頼しておきましょう。会社都合退職の場合は保険料の軽減措置があります(国民健康保険法 第9条)。

任意継続と国保、どちらが安いか判断する方法

一般的な目安は以下のとおりです。ただし自治体によって国保料が大きく異なるため、退職前に両方の金額を確認することが鉄則です。

条件 有利な選択肢
年収400万円以下 国保のほうが安い傾向
年収500万円以上 任意継続のほうが安い傾向(上限額があるため)
扶養家族がいる 任意継続が有利(国保は扶養の概念がなく家族分も課金)
会社都合退職 国保が有利(保険料が最大7割軽減される)

任意継続の保険料は退職前に協会けんぽ支部に、国保料は市区町村の国保窓口に電話で確認できます。

国民年金への種別変更届 法定手続き・14日以内

届出先: 住所地の市区町村役場。会社員(第2号被保険者)から第1号被保険者への変更届です。退職後に収入がなく保険料の支払いが困難な場合は、免除制度(全額・3/4・半額・1/4免除)や猶予制度が利用できます。退職特例で審査が通りやすくなります(国民年金法 第12条)。

失業給付(基本手当)の申請

届出先: 住所地を管轄するハローワーク。離職前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上あることが受給条件です(倒産・解雇等は1年間に6ヶ月以上)。再就職先が決まっている場合でも、入社日までの空白期間がある場合は手続きしておくと再就職手当が受けられる可能性があります(雇用保険法 第13条)。

住民税の普通徴収への切替え確認

退職時に会社が手続きします。退職すると給与天引き(特別徴収)から自分で納付(普通徴収)に切り替わります。1〜5月退職は残額を一括徴収されるのが一般的です。6〜12月退職は残額を普通徴収で分割納付します。新しい会社入社後に再び特別徴収に切り替わります(地方税法 第321条の4)。

入社時提出書類の準備

入社日までに以下の書類を揃えておきましょう。1つでも欠けると社会保険の加入手続きや年末調整が滞ります。

離職票の受取り

前職の会社がハローワークに届出後に交付されます。退職後10日〜2週間で届くのが一般的です。届かない場合は会社に確認し、それでも届かなければハローワークに相談しましょう。失業給付の申請や再就職手当の申請に必要です(雇用保険法 第7条)。

年金手帳・基礎年金番号通知書の準備

新しい会社の厚生年金加入手続きに必要です。2022年4月以降は年金手帳の新規発行が廃止され「基礎年金番号通知書」に変更されました。紛失した場合は年金事務所で再発行できます(無料・即日〜2週間)。

雇用保険被保険者証の確認

新しい会社での雇用保険加入に必要です。退職時に会社から返却されます。紛失した場合はハローワークで即日再発行できます(無料)。新卒の方は入社後に新規発行されるため不要です(雇用保険法 第9条)。

源泉徴収票の受取り

新しい会社での年末調整に必要です。退職後1ヶ月以内に前職の会社が交付する義務があります。届かない場合は会社に請求し、それでも発行されなければ税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出できます(所得税法 第226条)。

マイナンバーの届出・給与振込口座の届出

入社日に提出するのが一般的です。マイナンバーカードがあれば1点で本人確認ができます。給与振込口座は会社指定の銀行がある場合、新規口座開設が必要なこともあります。

入社時に必要な書類チェックリスト

年金手帳(基礎年金番号通知書)、雇用保険被保険者証、源泉徴収票、マイナンバーカードまたは通知カード、給与振込口座の通帳コピー。この5点を入社日までに揃えておきましょう。

入社後にやること

新職場での社会保険加入手続き 法定手続き・入社後5日以内

会社が届出を行います。入社日から5日以内に届出義務があります。年金手帳・雇用保険被保険者証・マイナンバーを入社日に提出しましょう。試用期間中でも入社日から社会保険に加入する義務があります。新しい保険証が届くまでの間に病院にかかる場合は、会社に「健康保険資格取得証明書」の発行を依頼してください(厚生年金保険法 第27条・健康保険法 第48条)。

ナビ
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空白期間に国保に加入していた場合は、新しい保険証が届いた後に市区町村で国保の脱退届を行ってください。脱退届を忘れると国保の保険料が請求され続けます。

国保の脱退届を忘れると保険料が請求され続ける

空白期間中に国保に加入していた場合、新しい保険証が届いた後に市区町村で国保の脱退届を必ず行いましょう。脱退届をしないと国保の保険料が二重に請求され続けます。新しい保険証と国保の保険証を持って窓口に行けば手続きは数分で完了します。

住民税の特別徴収への切替え

会社が市区町村に届出します。切替えが完了するまでの間は普通徴収の納期限どおりに自分で納付しましょう。住民税の二重払いにはなりません(切替え後に普通徴収分が減額されます)(地方税法 第321条の4)。

iDeCo・企業型DCの移換手続き 法定手続き・6ヶ月以内

退職後6ヶ月以内に移換手続きを行わないと、資産が国民年金基金連合会に自動移換されます。自動移換されると運用されず手数料だけがかかるデメリットがあります。新しい会社に企業型DCがあればそちらに、なければiDeCoに移換しましょう(確定拠出年金法 第83条)。

「放置年金」は約138万人、総額3,360億円に拡大

2025年3月末時点で、企業型DCの自動移換者は約138万人、総額約3,360億円にのぼり、10年前の約3倍に増加しています。自動移換されると、移換手数料4,348円が差し引かれ、さらに月52円(2026年4月以降は月98円に引き上げ)の管理手数料がかかり続けます。運用もされないため、放置するほど資産が目減りします。

確定申告(年の途中で転職した場合)

新しい会社に前職の源泉徴収票を提出すれば年末調整で対応可能です。ただし、源泉徴収票を提出できなかった場合、年内に再就職しなかった場合、給与以外の所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。期限は翌年2月16日〜3月15日です(所得税法 第120条・第121条)。

退職時の有給消化のポイント

マイナビの調査によると、退職時に最終出社後の有給消化をした人は約8割にのぼります。有給休暇は労働者の権利であり、会社は原則として拒否できません(労働基準法第39条)。

スムーズに進めるコツ:

  • 退職届の提出と同時に有給残日数を確認しましょう。
  • 引き継ぎスケジュールを先に提示し、最終出社日と有給消化期間を明確にしましょう。
  • 有給消化中は在籍中なので、社会保険も継続されます。空白期間の手続きは有給消化後の退職日翌日からカウントします。

パターン別の注意点

転職(前職あり・空白期間なし)の場合

退職日の翌日が入社日であれば、健康保険・年金の切替手続きは不要です。必要な手続きは以下に限られます。

  • 退職届の提出 ― 就業規則の期限に従って提出します。
  • 書類の準備 ― 年金手帳・雇用保険被保険者証・源泉徴収票・マイナンバー・給与振込口座を入社日までに準備します。
  • 企業型DCの移換 ― 前職に企業型DCがある場合は6ヶ月以内に移換手続きをします。

転職(空白期間あり)の場合

空白期間が1日でもあると、健康保険と年金の切替手続きが必要になります。特に注意すべき期限は以下の3つです。

  • 任意継続は20日以内 ― 1日でも過ぎると申請不可です。国保との保険料比較は退職前に済ませておきましょう。
  • 国保と年金は14日以内 ― 届出が遅れると、その間の医療費が全額自己負担になるリスクがあります。
  • 失業給付の手続き ― 入社日まで空白があれば、再就職手当の受給可能性があるためハローワークに相談しましょう。
相談者
相談者

退職から入社まで2週間の空白があります。その間に病院にかかる予定があるのですが、保険証がない状態で大丈夫ですか。

ナビ
ナビ

保険証がない状態で受診すると全額自己負担(10割)になります。退職翌日に市区町村で国保の加入届をすれば即日〜数日で保険証が発行されます。届出が間に合わない場合は、後日保険証を持って医療機関で精算するか、国保窓口で療養費の申請をすれば7割が戻ります。

新卒就職の場合

新卒は手続きが最もシンプル

前職がないため、退職届・離職票・源泉徴収票・雇用保険被保険者証の手続きは不要です。入社日にマイナンバーと給与振込口座を提出し、会社が社会保険の加入手続きを行います。年金手帳(基礎年金番号通知書)は20歳以上であれば既に手元にあるはずです。紛失した場合は年金事務所で再発行できます。

退職月別の住民税の支払い方法を確認する

住民税は前年の所得に基づいて6月〜翌年5月に徴収されます。退職時期によって残額の支払い方法が異なるため注意が必要です。

退職月 残額の支払い方法
1月〜5月 残額を最終給与から一括徴収されるのが原則
6月〜12月 残額を普通徴収で分割納付(自分で納付書で支払う)

6月〜12月退職の場合は、退職後に自宅に納付書が届きます。転職先で特別徴収に切り替わるまでの間は、納期限どおりに自分で支払いましょう。滞納すると延滞金が発生します(地方税法第321条の4)。

退職前にやっておくべき5つの確認

1. 有給休暇の残日数 → 退職日の調整に直結します。2. 健康保険の任意継続と国保の保険料比較 → 退職後では遅いです。3. 企業型DCの有無と資産残高 → 移換先を決めておきましょう。4. 源泉徴収票の発行依頼 → 退職後に届かないトラブルが多いです。5. 退職届のコピー保管 → 退職日の証拠になります。

転職手続き一覧表

手続き名 届出先 期限・目安
退職届の提出 現在の勤務先 1ヶ月前まで(推奨)
健康保険の任意継続 健康保険組合・協会けんぽ 退職後20日以内(法定)
国民健康保険への加入届 市区町村役場 退職後14日以内(法定)
国民年金への種別変更届 市区町村役場 退職後14日以内(法定)
失業給付の申請 ハローワーク 退職後すみやかに
住民税の普通徴収切替え確認 前職の勤務先(会社が届出) 退職時
住所変更手続き(転居あり) 旧住所・新住所の役場 入社前
離職票の受取り 前職の会社から届く 退職後10日〜2週間
年金手帳の準備 手元で確認(紛失時は年金事務所) 入社日まで
雇用保険被保険者証の確認 手元で確認(紛失時はハローワーク) 入社日まで
源泉徴収票の受取り 前職の会社から届く 退職後1ヶ月以内
マイナンバーの届出 新しい勤務先 入社日
給与振込口座の届出 新しい勤務先 入社日
社会保険加入手続き 新しい勤務先(会社が届出) 入社後5日以内(法定)
住民税の特別徴収切替え 新しい勤務先(会社が届出) 入社後
iDeCo・企業型DCの移換 金融機関・新会社のDC窓口 退職後6ヶ月以内(法定)
確定申告 税務署・e-Tax 翌年2月16日〜3月15日
通勤定期の購入 駅の窓口・券売機 入社日



まとめ

転職の手続きは、空白期間の有無で大きく変わります。空白期間がなければ書類の準備がメインですが、1日でも空白があると健康保険・年金の切替えが発生します。

1. 任意継続は20日以内、国保・年金は14日以内。期限を過ぎると手続きできなくなったり、医療費が全額自己負担になるリスクがあります。

2. 入社時に必要な5点を事前に準備。年金手帳・雇用保険被保険者証・源泉徴収票・マイナンバー・給与振込口座。紛失した場合は再発行に時間がかかるため早めに確認しましょう。

3. 企業型DCの移換は6ヶ月以内。放置すると自動移換され、運用されないまま手数料だけがかかります。約129万人がこの状態に陥っています。

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