遺産分割協議とは
遺産分割協議とは、遺言書がない場合(または遺言書に記載のない財産がある場合)に、相続人全員で遺産の分け方を話し合って決める手続きです。相続人全員の合意が必要で、1人でも合意しなければ成立しません。協議がまとまったら「遺産分割協議書」を作成し、全員が実印で署名・捺印します。この協議書は、不動産の相続登記・預貯金の解約・相続税の申告など、多くの手続きで必要になります。法的根拠は民法第907条で、相続税の申告期限(10ヶ月)までに完了させるのが理想です。協議がまとまらない場合は、家庭裁判所の調停・審判に進むことになります。
この手続きが必要な人
遺言書がなく、相続人が2人以上いる場合
遺言書で全財産の分配が指定されている場合、または相続人が1人だけの場合
父が亡くなり、相続人が配偶者と子2人の場合、法定相続分は配偶者1/2、子が各1/4だが、協議で異なる割合にもできる
手続きの流れ
ステップ1: 相続人と財産を確定する
戸籍謄本の収集で法定相続人を確定し、財産目録(不動産・預貯金・有価証券・負債などの一覧)を作成する。不動産は登記事項証明書と固定資産評価証明書を取得、預貯金は残高証明書を金融機関に請求する。
ステップ2: 相続人全員で協議する
全員が一堂に会する必要はなく、電話・メール・オンラインでの協議も有効。法定相続分(民法第900条)を基準にしつつ、各自の事情を考慮して分配方法を決める。不動産は「誰が取得するか」が争点になりやすい。
ステップ3: 遺産分割協議書を作成する
合意内容を文書にまとめ、相続人全員が実印で署名・捺印する。不動産は地番・家屋番号を正確に記載する。全員の印鑑証明書を添付する。同じ内容の協議書を人数分作成し、各自が1通ずつ保管する。
よくある質問
Q. 遺産分割協議がまとまらない場合はどうなりますか?
家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。調停委員が間に入って話し合いを仲介し、それでもまとまらない場合は審判(裁判官が分割方法を決定)に移行します。調停の申立て費用は収入印紙1,200円と郵便切手です。
Q. 法定相続分と異なる割合で分けることはできますか?
相続人全員が合意すれば、法定相続分と異なる割合で分けることは可能です。例えば、自宅に住み続ける配偶者に不動産を多めに、他の相続人に預貯金をといった分け方は実務上よくあります。ただし、遺留分(民法第1042条)を侵害すると、遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。


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