自筆証書遺言の作成とは
自筆証書遺言とは、遺言者が全文・日付・氏名を自筆で書き、押印して作成する遺言書のことです。費用がかからず、いつでも自宅で作成・修正できるメリットがある反面、方式要件を1つでも満たさないと法的に無効になるリスクがあります。2019年の民法改正で財産目録に限りパソコン作成が認められ、作成の負担が軽減されました。法的根拠は民法第968条です。
4つの方式要件(1つでも欠けると無効)
この手続きを含めたあなた専用の手続き順番リストを無料で作成できます。質問に答えるだけで、遺言書作成に必要な手続きだけが正しい順番で並びます。
手続きの流れ
ステップ1: 必要書類を準備する
財産目録、相続関係説明図、登記事項証明書(不動産がある場合)、ボールペンまたは万年筆(消えない筆記具)、印鑑(実印推奨)を用意する。
ステップ2: 遺言書の本文を自筆で書く
「遺言書」と表題を書き、誰にどの財産を相続させるかを具体的に記載する。不動産は登記事項証明書の記載どおりに所在・地番・家屋番号を正確に書く。
ステップ3: 日付・氏名を書き、押印する
作成日を「令和○年○月○日」と正確に記載し、氏名を自書して押印する。
無効の三大パターン——書く前に知れば全部避けられる
自筆証書遺言が無効・紛争になる典型は3つです。①方式違反——全文自筆(財産目録のみパソコン可・各頁に署名押印)、正確な日付(「◯月吉日」は無効)、署名、押印のどれかを欠く。②内容の曖昧さ——「自宅は長男に」だけでは不動産を特定できず、「任せる」「託す」のような表現は相続させる趣旨か解釈が割れます。財産は登記事項証明書や口座情報で特定し、「相続させる」「遺贈する」と明確に書きます。③遺留分の無視——有効ではあるものの、相続開始後に遺留分侵害額請求で紛争化します。方式は法務局の保管制度を使えば外形チェックを受けられますが、内容の妥当性までは見てもらえないため、配分に迷いがあるなら下書き段階で専門家に確認するのが安上がりです。
よくある質問
Q. 鉛筆で書いた遺言書は有効ですか?
法律上は鉛筆でも無効とはされませんが、消しゴムで消せるため改ざんのリスクが高く、実務上は認められにくい場合があります。ボールペンまたは万年筆など消えない筆記具で書いてください。
Q. 夫婦で1通の遺言を書いてもいいですか?
いけません。2人以上が同一の証書で遺言することは禁止されており(共同遺言の禁止・民法975条)、無効になります。夫婦それぞれが別の証書で作成してください。内容を対にした「相互遺言」は別々の証書なら可能です。
遺言書作成に関連するすべての手続きは「遺言書作成の完全ガイド」で解説しています。


コメント