会社への損害賠償請求の検討とは
会社への損害賠償請求の検討は、労災保険ではカバーされない損害——慰謝料や逸失利益の差額など——を、会社の安全配慮義務違反(労働契約法第5条)を根拠に請求できないか検討することです。労災給付と会社への賠償は別物で、両方の視点を持つことが補償の取りこぼしを防ぎます。
この手続きの基本情報
労災保険で足りない部分がある——慰謝料は労災から出ない
労災保険は治療費・休業補償・障害給付などを支えますが、精神的苦痛への慰謝料は労災保険の給付には含まれていません。また休業補償も賃金の全額ではありません。事故の原因に会社側の落ち度——安全設備の不備、無理な作業指示、長時間労働の放置、安全教育の欠如など——がある場合、これらの差額や慰謝料を会社に請求できる可能性があります。根拠になるのが、会社は労働者が安全に働けるよう配慮する義務を負うという安全配慮義務(労働契約法第5条)です。
検討の進め方——証拠の確保と弁護士への相談
請求が成り立つか、いくらが見込めるかは、会社の落ち度の程度・因果関係・本人側の事情によってまったく異なり、ここは弁護士による個別判断の領域です。相談の前にできる準備は証拠の確保で、事故現場の写真、作業指示のメール・チャット、勤務記録(タイムカード・シフト表)、同僚の連絡先、労基署の調査に提出した資料の控えなどを集めておいてください。時間が経つほど証拠は散逸します。労災の給付手続きと会社への請求は並行して進められるので、給付を受けながら、賠償の可否は早めに弁護士へ相談するのが賢い順番です。
よくある質問
Q. 労災認定されれば会社への賠償も認められますか?
別の判断です。労災認定は保険給付の要件の話で、会社への賠償は会社の落ち度(安全配慮義務違反)の立証が必要です。労災認定の資料は賠償請求でも重要な証拠になりますが、認められるかは事案によるため弁護士に相談してください。
Q. 在職中に会社を訴えるのは不利になりませんか?
賠償請求や労災申請を理由とする解雇・不利益取扱いは法律上許されません。とはいえ現実的な進め方(交渉から入る・退職後に請求する等)は状況によるため、進め方自体を弁護士と設計するのが安全です。

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