廃業年の確定申告(個人事業主)とは
廃業年の確定申告(個人事業主)は、事業をやめた年の所得を申告する、個人の廃業の締めくくりです。時期は通常どおり翌年2月16日〜3月15日。「廃業したから申告も終わり」ではなく、廃業年こそ、事業用資産の処分や経費の扱いなど論点が集中する申告になります。
この手続きの基本情報
廃業年ならではの論点——処分・在庫・廃業後の経費
廃業年の申告では、通常の売上・経費に加えて、在庫の処分や事業用資産(車両・設備)の売却・家事転用の処理、取引先への最後の請求と貸倒れの整理といった「たたむ過程」の損益が乗ってきます。さらに、廃業後に発生した費用(事務所の原状回復費など)には、廃業年の必要経費にできる特例的な取り扱いがあります。どれも判断を誤ると納税額が変わる論点なので、例年自力で申告してきた方も、廃業年だけは税理士に相談する価値があります(報酬の目安は5〜15万円程度です)。
忘れがちな周辺の税——消費税・予定納税・翌年の住民税
消費税の課税事業者だった場合は、廃業年の消費税の申告も必要です(事業廃止届出書の提出とセットで確認)。所得税の予定納税の通知が廃業後に届いた場合は、減額申請で調整できることがあります。そして忘れてはいけないのが、廃業の翌年に来る住民税と個人事業税です。どちらも前年(廃業年)の所得に課税されるため、収入がなくなった後に納付だけが来ます。廃業年の手残りから、翌年の税金分を取り分けておく——これが個人の廃業でいちばん実用的な自衛策です。
申告を終えたら、帳簿や領収書は申告後も保存義務が続きます(青色申告は原則7年)。廃業したからと処分せず、申告書の控えとともに保管場所を決めて残してください。
よくある質問
Q. 廃業した年も青色申告特別控除は使えますか?
廃業年も要件を満たせば青色申告として申告できます。ただし控除の適用条件や帳簿の締め方に注意点があるため、廃業年の申告内容とあわせて税理士に確認してください。
Q. 廃業後にかかった費用は経費になりますか?
事業を廃止した後に生じた費用でも、その事業に関連するものは廃業年の必要経費にできる特例的な取り扱いがあります。対象になるかの判断は個別性が高いため、領収書を保管したうえで税理士に相談してください。

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