繰上げ受給の請求とは
繰上げ受給の請求は、65歳を待たずに60〜64歳で年金を受け取り始める手続きです。早くもらえる代わりに1か月あたり0.4%の減額が一生続き、一度請求すると取り消せません。目先の生活資金だけでなく、長生きした場合まで含めて考える必要のある、老後で最も慎重にすべき選択のひとつです。
この手続きの基本情報
減額は「その時だけ」ではなく一生続く
減額率は繰り上げた月数×0.4%です。60歳ちょうどから受け取ると24%減、62歳なら14.4%減、64歳なら4.8%減で、この率のまま生涯変わりません。たとえば65歳から満額の老齢基礎年金(月額70,608円・令和8年度)を受け取れる人が60歳に繰り上げると、月5万3千円台に減った金額を一生受け取り続けることになります。また、老齢基礎年金と老齢厚生年金は原則セットでの繰上げになり、片方だけ早めることはできません。
お金以外に失うものがある
繰上げの影響は金額だけではありません。いちばん重いのは、繰上げ後は障害基礎年金を請求できなくなることです。繰上げ請求のあとに大きな病気やけがをしても、障害年金という選択肢が使えません。ほかにも国民年金への任意加入や保険料の追納ができなくなるなど、年金を増やす手段が閉じられます。手続き自体は年金事務所で無料でできますが、請求書を出す前に、ねんきんネットで減額後の見込額を確認し、年金事務所の窓口で影響を一通り説明してもらってから判断してください。
よくある質問
Q. 繰上げをあとから取り消すことはできますか?
できません。繰上げ請求は一度受理されると取消も変更もできず、減額された年金額が生涯続きます。迷いがある段階では請求せず、年金事務所で減額後の金額と失うものの説明を受けてから決めてください。
Q. 何歳で繰り上げると、どのくらい減りますか?
1か月早めるごとに0.4%減です。60歳0か月で24%減、61歳で19.2%減、62歳で14.4%減、63歳で9.6%減、64歳で4.8%減が目安です。自分の金額はねんきんネットの試算機能で確認できます。
Q. 繰上げで受け取りながら働くことはできますか?
働けます。ただし厚生年金に加入して働く場合は在職老齢年金の仕組みの対象になり、給与と年金の合計額によっては年金の一部が支給停止されることがあります。再就職の予定がある方は、繰上げの前に働き方とあわせて年金事務所に相談してください。

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