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死亡手続きの完全ガイド|届出の順番・期限・届出先を一覧で解説

死亡手続き

大切な方を亡くされた直後に、最大20件もの手続きが待っています。

悲しみの中で手続きのことなど考えたくない。それが本音だと思います。しかし、死亡届は7日以内、年金停止届は14日以内、健康保険の資格喪失届は14日以内。期限のある手続きは、こちらの感情に関係なくやってきます。

ただ、最初に一つだけ覚えておいていただきたいことがあります。死亡診断書のコピーを10部以上取ることです。これを忘れると、あとの手続きすべてに影響が出ます。

この記事では、ご逝去後の手続きを時系列順に整理しました。すべてを一度にやる必要はありません。まずは期限のあるものから、一つずつ進めていけば大丈夫です。

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死亡手続きフロー図 — 直後から相続手続きまでの時系列
死亡手続きの全体フロー(時系列順)

当日〜7日以内:最も急ぎの手続き

死亡診断書(死体検案書)の受領 法定手続き

病院で亡くなった場合はかかりつけ医が作成します。死亡診断書は死亡届の右半分に記入される形式で、原本は1通しか発行されません。この書類は保険金請求、年金停止届、銀行手続きなどあらゆる場面で必要になるため、提出前に必ず10部以上コピーを取ってください。これが最重要の注意点です(医師法 第19条第2項、第20条)。

相談者
相談者

葬儀の準備で頭がいっぱいで、死亡診断書のコピーを取り忘れました。もう取り戻せないのでしょうか。

ナビ
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葬儀社がコピーを取ってくれていることも多いので、まず確認してください。それでもなければ、死亡届を提出した市区町村役場で「死亡届の記載事項証明書」を取得できます。ただし用途が限定されるため、保険会社への請求には使えない場合があります。病院に再発行を依頼する方法もあります(数千円の手数料がかかります)。

死亡診断書の発行費用

死亡診断書の発行費用は法律で定められておらず、医療機関ごとに異なります。相場は3,000円〜10,000円程度です。警察が関与する場合の「死体検案書」は30,000円〜100,000円と高額になることがあります。再発行の場合も同程度の費用がかかるため、最初にコピーを取っておくことが重要です。

死亡届の提出 法定手続き・7日以内

故人の本籍地・死亡地・届出人の住所地のいずれかの市区町村役場に提出します。24時間受付です。届出と同時に火葬許可証が交付されます。実際には葬儀社が代行してくれることが多いです。届出人は親族・同居者・家主等です(戸籍法 第86条、第87条)。

火葬許可証の取得・火葬の実施

死亡届と同時に交付されます。法律上、死亡後24時間以上経過しないと火葬できません。火葬後に埋葬許可証が発行され、納骨時に必要になります(墓地、埋葬等に関する法律 第5条、第3条)。

葬儀の手配

葬儀社は死亡届の提出・火葬場の予約・搬送など多くの手続きを代行してくれる頼れる存在です。葬儀費用は相続税の債務控除対象になるので、領収書は必ず保管してください。余裕があれば複数社から見積もりを取ることをおすすめします。

葬儀費用の相場を見る
葬儀の形式 費用の目安 特徴
一般葬 150万〜200万円 通夜・告別式を行う従来型
家族葬 60万〜120万円 近親者のみで行う。近年増加傾向
一日葬 40万〜80万円 通夜を省略し告別式のみ
直葬(火葬式) 15万〜30万円 通夜・告別式なし。火葬のみ

出典: 鎌倉新書「第6回 お葬式に関する全国調査」(2024年)。費用には飲食・返礼品を含みます。お布施は別途です。

14日以内にやること:法定期限のある届出

この期間の手続きは法律で期限が定められているものです。役場に行くタイミングで、できるだけまとめて済ませましょう。

年金受給停止届の提出 法定手続き・14日以内

届出が遅れると過払いが発生し、後日返還を求められます。国民年金は14日以内、厚生年金は10日以内です。届出先は年金事務所または市区町村役場です。未支給年金(亡くなった月分まで)の請求も同時に行えます(国民年金法 第105条、厚生年金保険法 第98条)。

年金の過払いは必ず返還を求められる

届出が遅れて年金が振り込まれた場合、そのお金は法律上「不当利得」となり、日本年金機構から返還請求が届きます。相続人が返還義務を負うため、放置すると後から面倒な手続きが増えます。死亡届を提出しただけでは年金は自動停止しません。必ず別途届出が必要です。

世帯主変更届の提出 法定手続き・14日以内

故人が世帯主で、世帯に残る15歳以上の人が2人以上いる場合に必要です。一人暮らしだった場合や残る人が1人だけの場合は届出不要です(住民基本台帳法 第25条)。

健康保険の資格喪失届・保険証返却 法定手続き・14日以内

国保は市区町村役場、社保は勤務先が手続き、後期高齢者医療は役場です。このとき同時に葬祭費・埋葬料の申請も行うと効率的です。故人の扶養に入っていた家族は、14日以内に新たな健康保険への加入が必要です(国民健康保険法 第9条、健康保険法 第48条)。

介護保険の資格喪失届・保険証返却 法定手続き・14日以内

65歳以上の方や、40〜64歳で要介護認定を受けていた方が対象です。保険料は月割りで精算されます(介護保険法 第12条)。

役場に行くときは「おくやみコーナー」を確認

近年、多くの自治体で「おくやみコーナー」や「ご遺族サポート窓口」を設置しています。1つの窓口で死亡に関する複数の届出をまとめて対応してくれるため、何度も窓口を回る必要がありません。事前に電話で「おくやみコーナーはありますか」と確認するとよいです。2024年時点で全国約1,100自治体以上が導入済みです(デジタル庁「おくやみコーナー設置自治体ナビ」)。

早めに対応すること:お金に関わる請求

以下の手続きは法定期限はありませんが、時効があるため早めの対応が望ましいです。申請しなければ支給されないものばかりなので、知らないと損をします。

葬祭費/埋葬料の申請

申請しないと支給されません。国保の葬祭費は自治体により3〜7万円、社保の埋葬料は一律5万円です。時効は葬儀翌日から2年です(国民健康保険法 第58条、健康保険法 第100条)。

未支給年金の請求

年金は亡くなった月分まで支給権利があります。故人が受け取れなかった分は、生計を同じくしていた配偶者・子・父母等が請求できます。時効は5年です(国民年金法 第19条、厚生年金保険法 第37条)。

遺族年金の請求

遺族基礎年金は子のある配偶者または子が対象です。遺族厚生年金は故人が厚生年金加入者だった場合に支給されます。受給額は年金事務所でシミュレーションしてもらえます。時効5年なので早めに手続きしてください(国民年金法 第37条、厚生年金保険法 第58条)。

相談者
相談者

夫が亡くなりました。遺族年金はいくらくらいもらえるのでしょうか。子どもは高校生が1人います。

ナビ
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高校生のお子さんが1人いらっしゃるなら、遺族基礎年金(年額約102万円)を受給できます。ご主人が会社員だった場合は、さらに遺族厚生年金(報酬比例部分の3/4)も加算されます。平均的な年収のケースで合わせて年額150万〜170万円程度になることが多いです。お子さんが18歳の年度末を過ぎると遺族基礎年金は終了しますが、遺族厚生年金は引き続き受給できます。まずは年金事務所で試算してもらいましょう。

生命保険金の請求

死亡診断書のコピー・保険証券・受取人の戸籍謄本等を用意して保険会社に連絡します。受取人指定の保険金は遺産分割の対象外です。契約が不明な場合は生命保険協会の「生命保険契約照会制度」(1回3,000円)で調査可能です。一般的に3年で時効です(保険法 第95条)。

高額療養費の還付申請

故人が亡くなる前に高額な医療費を支払っていた場合、自己負担限度額を超えた分が還付されます。時効は診療月の翌月1日から2年です(国民健康保険法 第57条の2、健康保険法 第115条)。

受け取れるお金の時効一覧を見る
給付の種類 金額の目安 時効
葬祭費(国保) 3万〜7万円 2年
埋葬料(社保) 一律5万円 2年
未支給年金 1〜2ヶ月分の年金額 5年
遺族基礎年金 年約81万〜102万円 5年
遺族厚生年金 報酬比例部分の3/4 5年
生命保険金 契約による 3年
高額療養費の還付 自己負担超過分 2年

いずれも申請しなければ支給されません。特に葬祭費・埋葬料は時効2年と短いため、健康保険の資格喪失届と同時に申請するのが効率的です。

停止・解約が必要なもの

相談者
相談者

父が亡くなった後、クレジットカードの年会費やサブスクの引き落としが半年以上続いていました。カード明細を確認する余裕がなかったのですが、何か良い方法はありますか。

ナビ
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まずクレジットカードの解約を最優先にしてください。カードを止めれば、紐づいたサブスクの引き落としもまとめて止まります。カード会社に電話すれば、直近の引き落とし先の一覧を教えてもらえることが多いです。口座の引き落とし履歴、スマホの「設定」画面のサブスク一覧も確認しましょう。

  • 公共料金の名義変更・解約(電気・ガス・水道) ― 口座凍結前に名義変更をしてください。電話1本で済むことが多いです。
  • 電話・インターネットの解約・名義変更 ― 携帯のデータが必要な場合は解約前にバックアップを取ってください。
  • クレジットカードの解約 ― 年会費の引き落としを止めるため早めに手続きしてください。ETCカード・家族カードも同時に対応します。
  • 各種サブスクリプションの解約 ― カード明細・口座の引き落とし履歴・スマホの設定画面から洗い出します。
  • 運転免許証の返納 ― 届出しなくても有効期限経過で自動失効します(道路交通法 第107条)。
  • パスポートの返納 ― 郵送でも可能です(旅券法 第18条)。
  • マイナンバーカードの返納 ― 相続手続きで番号が必要になる場合があるので、番号を控えてから返納してください。

口座凍結と仮払い制度

金融機関に死亡を連絡すると口座が凍結され、引き出しも引き落としもできなくなります。ただし2019年7月から「預貯金の仮払い制度」が始まり、遺産分割前でも各金融機関につき預金額の1/3 x 法定相続分(上限150万円)を引き出せます。葬儀費用や当面の生活費に充てることができます(民法 第909条の2)。

パターン別の注意点

配偶者が亡くなった場合

手続きの数が最も多くなるパターンです。生活に直結する手続きが多いので、優先順位をつけて進めてください。

  • 遺族年金は必ず確認。遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給できる可能性があります。年金事務所で試算してもらえます。
  • 健康保険の切替が急務。故人の社保の扶養に入っていた場合、14日以内に国保加入または他の家族の扶養に入る手続きが必要です。
  • 口座凍結への備え。金融機関に死亡を連絡すると口座が凍結されます。仮払い制度(各金融機関につき預金額の1/3×法定相続分、上限150万円)を利用できます(民法 第909条の2)。

親が亡くなった場合

親の資産状況や契約関係を把握できていないケースが多いです。まずは「何があるか」を調べるところから始めましょう。

  • 保険契約の確認。契約が不明な場合は生命保険協会の照会制度(1回3,000円)で調査できます。
  • サブスクの洗い出し。カード明細・口座履歴・スマホの設定画面で確認してください。
  • 届出・停止を先に、相続は後から。本ガイドの手続きを優先し、落ち着いてから相続に移ってください。
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すべてを一人でやろうとしないでください。葬儀社、年金事務所、市区町村の窓口、それぞれに相談すれば、次にやるべきことを教えてもらえます。特に「おくやみコーナー」のある自治体なら、1つの窓口で必要な届出の案内をまとめて受けられます。

死亡手続き一覧表

手続き名 届出先 期限・目安
死亡診断書の受領 病院・診療所 当日
死亡届の提出 市区町村役場 7日以内(法定)
火葬許可証の取得・火葬 市区町村役場→火葬場 死亡届と同時
葬儀の手配 葬儀社 直後
年金受給停止届 年金事務所・市区町村役場 14日以内(法定)
世帯主変更届 市区町村役場 14日以内(法定)
健康保険の資格喪失届 市区町村役場・勤務先 14日以内(法定)
介護保険の資格喪失届 市区町村役場 14日以内(法定)
葬祭費/埋葬料の申請 市区町村役場・協会けんぽ 早めに(時効2年)
未支給年金の請求 年金事務所・市区町村役場 早めに(時効5年)
遺族年金の請求 年金事務所・市区町村役場 早めに(時効5年)
生命保険金の請求 各保険会社 早めに(時効3年)
高額療養費の還付申請 市区町村役場・協会けんぽ 早めに(時効2年)
公共料金の名義変更・解約 各事業者 早めに
電話・ネットの解約 各通信事業者 早めに
クレジットカードの解約 各カード会社 早めに
運転免許証の返納 警察署・免許センター 随時
パスポートの返納 パスポートセンター 随時
マイナンバーカードの返納 市区町村役場 随時

まとめ

大切な方を亡くされた後、すべてを完璧にやろうとする必要はありません。まずは期限のある手続きから、周りの力も借りながら一つずつ進めていきましょう。

1. 死亡診断書は10部以上コピー。原本は1通です。提出すると手元に残りません。すべての手続きで必要になります。

2. 14日以内の届出を優先。年金停止届・世帯主変更届・健康保険の資格喪失届は法定期限があります。役場で1日でまとめて済ませましょう。

3. 届出・停止を先に、相続は後から。まずは本ガイドの手続きを優先し、落ち着いてから相続手続きに移りましょう。


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